寄生虫の感染経路は?
当時の常識では寄生虫は水を飲むことで体内に入り、感染してしまうと考えられていました。
もちろんこの『日本住血吸虫』も同様で、水を飲むことで感染してしまうと考えられました。
なので医師たちは村人たちに
『生水は飲まずに、必ず沸騰させてから飲むこと』
と伝えました。
村人たちは良いつけをしっかりと守りましたが、死んでいく仲間たちは絶えませんでした。
村人たちは飲み水が原因ではないのでは?と疑いを持ちました。
そんな中村人たちはあることを疑います。
『田んぼや川に入ってからだが赤くかぶれた者(泥かぶれと呼んでいた)が、必ず病気になる!』
村人たちが原因はこの『泥かぶれ』が原因ではないかとの声が高まりました。
そこで動物を使った実験が行われました。
健康な牛を用意し
◆水を飲むグループ
◆水につかるグループ
に分かれてどちらが感染するかを実験しました。
すると...
水につかるグループだけが感染したそうです。
なぜ飲んでも感染しないのか不思議ですね。
これは当時の医学の常識をくつがえす信じられない事実であり、飲んだ水から感染するものだと信じて疑わない医師たちは、その実験結果を疑いました。
ついに京都大学の松浦医師が、『甲府盆地で採取した水』に自分の腕を浸して感染するかどうか試すという決死の実験を行った結果、松浦医師は感染してしまったのです
なんというか...かわいそうですね。
日本住血吸虫の生態は?
寄生虫は人間の体の中で卵を産み、卵は便から流れ、川で幼虫として孵化することが分かりました。
しかしこの幼虫は、孵化しても動物や人間の体に寄生することは出来ず、すぐに死んでしまうことも同時に分かったのです。
と言うことは中間宿主がいるということになります。
調べていくとその中間宿主は『ミヤイリガイ』という貝であることが分かりました。
これは今回の調査で初めて発見され、発見した宮入さんの名前をとって命名されたそうです。
寄生虫はミヤイリガイのみで成長するため、ミヤイリガイがいなければ感染源をなくすことができると考えました。
次はミヤイリガイの駆除に進むのです。
続きは次のページで!!
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