マッターホルンの悲劇 事故は不慮かわざとか? 真相・真実は?
私は登山を経験したことがないのでわからないのですが、登頂もかなり過酷なものだとは思いますが、下山もそれぐらい大変なものなのでしょうね。
下山の際の順番は先頭から優秀なガイドのクロ、2番目に経験不足のハドウ、3番目にハドソン、4番目にダグラス卿、5番目にガイドのタウクヴァルダー父、6番目にウィンパー、最後がタウクヴァルダー息子の順番とすることを決めて出発しました。
全員ロープで繋がって下山するのですが、危険な場所では全員が一斉に動くのではなく、一人ずつ動いてロープでつながった他の者は岩にしがみつくか、ロープを岩に巻きつけるなどして安全を確保する方法で下山していました。
しかし、経験不足のハドウが足を滑らせ落下し、先頭にいたクロを跳ね飛ばしてしまいました。
そして、後ろにいたハドソンとダグラス卿も引っ張られる形で落下してしまいました。
ロープはダグラス卿とタウクヴァルダー父との間で切れ、後ろの3人は落下することなく無事でした。
3人は両手を広げながら落下していく仲間たちを数秒間眺めていたのですが、助けようがありませんでした。
助けるとなったら自分も落下してしまうだけですからね・・・。
そして3人は30分もの間その場を動くことができず、最終的には3人で無事に下山したようです。
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せっかくの初登頂という栄光を手にしたのに、このような悲劇に会ってしまい喜びから一転、失意の底に突き落とされてしまいました・・・。
偶然にもロープが切れて助かった3人ですが、故意にロープを切ったのではないかという疑惑をかけられます。
裁判にもかけられることとなったのですが、事故はハドウが原因と確認され、無罪が認められました。
しかし、ウィンパーはイギリスに帰国後も疑惑が晴れることなくマスコミからの非難に耐えねばならなかったそうです。
そしてタウクヴァルダー父は切れたロープのすぐ上にいたことから2回の事情聴取を受け、しまいにはガイドとしての評判を落としてしまい、数年間アメリカで暮らしたそうです。
それでも「ウィンパーかタウクヴァルダー父のどちらかが、自分の身を守るためにロープを切ったのではないか」という悪いうわさが流れ、長く二人を苦しめることになったそうです。
自分が犯罪者だと思われながら生きるってどれだけつらかったことでしょうか。
後にウィンパーは切れたロープを確認したところ、ロープは用意していた3本のロープうち最も弱いものが使われていたことを知りました。
そのロープは本来は体を結びあうために使うロープではなく、多くのロープを岩にくくりつけたまま残してこなくてはならなくなった場合に備えてのものでした。
ロープの切れ端は前からあった傷などではなく、ぴんと張った状態から切れたものだということもわかりました。
実際のロープがこちらです↓
確かに人の体を繋ぐロープにしては細くて弱そうに見えますね。
スイスの登山用品メーカー「マムート」は初登頂140周年の際、切れたものと似たロープを作って強度を試した。ロープは300キログラムで切れた。
これは成人男性4人分ほどの重さだ。
実験からは、ロープが切れたのは事故であり、切られたのではないことがうかがい知れる。
ということからこの事故は故意に自分たちが助かろうと起こした事故ではなく、不慮の事故だったんですね。
長年疑惑をかけられたまま生きてきた2人はしばらく生きた心地がしなかったでしょう・・・。
続きは次のページで!!
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